【注目ニュース】LINEが日米同時上場!世界の中での「スマートポータルの成否」が今後のカギ!
LINE社が7月15日に日米同時に株式上場しました。
メッセンジャーアプリ”LINE”やキュレーションサービス”NEVERまとめ”、そしてブログサービスである”Livedoorブログ”などを運営する同社が今まで上場していなかったのが不思議な気もするのですが、今回の日米同時上場によって、”世界を見据えた事業展開をするための上場”を整えようとしているのではないかと思います。
では、そんなLINE社の今後はどこを見据えているのか?
LINE社の上場に関するニュースを読みながらまとめてみました。
世界のメッセンジャーアプリの市場では決して大きくはないLINEのシェア
LINEスタンプの人気もあり、日本国内では圧倒的な人気を誇るLINEですが、世界のシェアを見たときには、決して高いシェアを誇っているわけではありません。
全世界の月間アクティブユーザー数(MAU)
1位 ワッツアップ 10億
2位 フェイスブックメッセンジャー 9億
3位 QQモバイル 8億5300万
4位 ウィーチャット 6億9700万
5位 スカイプ 3億
6位 バイバー 2億4900万
7位 LINE 2億1500万
LINEは世界で見ると第7位。1位のワッツアップとは7億以上もの差があります。なお、ワッツアップはフェイスブック社が買収したサービス。両社を合わせると、フェイスブック社のメッセージサービスは19億ものアクティブユーザーがいることになります。
利用者間でよくやり取りするメッセンジャーサービスがあると、常にそれを使いたがるもの!僕も友人とのメッセージのやり取りは、主にフェイスブックメッセージを使ってコミュニケーションをとることが多いです。このように先行サービスがあるとコミュニケーションスタイルが出来上がってしまうため、後発のサービスはなかなかユーザーが乗り換えづらいという特徴があります。
このため、LINE社の出澤社長も「スマートフォンメッセンジャーの陣取り合戦はほぼ終わった」と述べているように、メッセンジャーサービスのみで世界で戦うのではないということが同社長の言葉からも読み取れると思います。
カギを握るのは「スマートポータル」
今回のLINE社の上場ニュースの中で同社の出澤社長が述べていた「スマートポータル」という構想が今後のカギを握りそうです。
「スマートポータル」とはメッセンジャーサービスを入口に、「LINE MUSIC」「LINE GAME」「LINE PAY」などの様々な連携サービスを組み合わせながら”一つのプラットフォーム”として確立させるというものです。このプラットフォーム上で経済圏を形成させることで利便性を高め、ユーザーを獲得していこうという狙いが見て取れます。
同社が推し進めようとしているのは、単に日本のサービスを海外展開するのではなく、現地に合わせて”ローカライズ”することで、シェアの獲得を狙うというものです。事実、タイではLINEを宅配や食料品の配達サービスを展開したところ、交通渋滞の激しいタイで人気のサービスとなっております。「ローカライズを徹底した“カルチャライズ”によって、アジアではやや後発でもシェアの巻き返しに成功した」(出澤社長)と述べるように、現地に合わせた利便性の高いプラットフォームを構築し、世界に展開していこうとしているのです。特に東南アジアや中東など、まだメッセンジャーアプリの優劣が決まっていない国や地域で市場開拓を進めていくものと思われます。
とはいえ、LINEの世界のシェアという観点から立つと、その規模は小さいものです。そんな中で戦いに挑むLINE社の「スマートポータル」構想が成功するのか?今後の展開に注目したいと思っております。
関連書籍
- 【書評】「読書とは何か?」を読者にその意味を問いかける本!『読書という荒野』(見城徹著) - 2018年7月8日
- 【書評】仕事は本来楽しいもの!それを実現する具体的な4つのステップ!『組織にいながら、自由に働く。』(仲山進也著) - 2018年6月25日
- 【書評】なぜモヤモヤと感じるのか?自分との対話のキッカケになる本!『モヤモヤとするあの人』(宮崎智之著) - 2018年6月17日