【書評】本のエッセンスが頭に残り、行動計画も同時にできちゃう画期的な読書法!『1冊20分、読まずに「わかる!」すごい読書術』(渡邊康弘著)

ビジネス書, 読書術

2016-07-31 01.16.09

 

フォトリーディングなど、世の中には多くの読書術の本が出ております。また、『アクションリーディング』(赤羽雄二著)など、ここ最近にも多くの読書術の本が刊行されました。

 

そんな読書術の本の中でも、僕が注目したのは『1冊20分、読まずに「わかる!」すごい読書術』(渡邊康弘著)です。なぜ注目したかというと、本書で紹介している「レゾナンスリーディング」というのは1冊20分くらいで全体がつかめる凄い読書術だからです。

 

 

著者の渡邊康弘さんは『ビジネスモデルYOU』(ティム・クラーク著)の翻訳において制作協力をされたなど、洋書の紹介においては高い評価を受けております。また、日本最大級の読書会コミュニティ『Read For Action』で立ち上げに関わるなど、読書に関しては著名な方です。

 

そんな渡邊康弘さんが紹介する「レゾナンスリーディング」とはどのような読書術なのか?

 

ポイントを以下にまとめながら、本書を紹介したいと思います。

 

読書を加速させるレゾナンスとは?

本書で用いている「レゾナンス」という言葉、あまりなじみがないですよね?

 

まずは、この「レゾナンス」という意味のご紹介、そして、本書で述べている「レゾナンスリーディング」の意図するものをご紹介します。

 

 

レゾナンスとは、日本語でいう「共鳴」「共振」を指します。共鳴とは、音と音が重なり合い、ハーモニーを奏でることを意味します。

「共鳴」を辞書で調べると、「振動数の等しい発音体を並べて置いて、一方を鳴らすと他の一方も音を発する現象。他の人の考え方や行動に自分も心から同感すること」と出てきます。

 

(中略)

また、共鳴とはスポーツでいう「ゾーン」だと言う方もいます。ゾーンとは、心理学でいう「フロー状態」に入ることです。さらに、このフロー状態とは人を巻き込む影響を持っているものだと話す方もいます。
そしてフローとは、自分の趣味に没頭している瞬間に起こるといいます。このフローに関しての第一人者、心理学者のチクセントミハイは、フローとはいまこの瞬間に没入し、すべてをコントロールしているような感覚と言っています。

 

つまり、レゾナンスリーディングは、著者の書いた本のエネルギーを鳴らすことにより、自分自身の心の音、隠れた才能を出していく読書法です。

(渡邊康弘著『1冊20分、読まずに「わかる!」すごい読書術』より P54~P55)

 

「レゾナンスリーディング」のやり方

本書のやり方は「白い紙」もしくは本書の巻末にある「レゾナンスマップ」に以下の手順で書いていくだけです

 

レゾナンスマップ

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ステップ0:本を触り、自分の課題を明確にする

ステップ1:本をパラパラさせて情報を脳にダウンロード

ステップ2:3分割したマップに曲線を描く

ステップ3:曲線の気になるところのページから単語を抜き出す

ステップ4:気になる単語を見つけ、問いかけながらそのページを読む

ステップ5:その本から得たアイデアを活用する行動計画をつくる

(渡邊康弘著『1冊20分、読まずに「わかる!」すごい読書術』より)

書いていくと、気になった内容が可視化された「レゾナンスマップ」が完成されます。

 

読んだことを忘れないためにはどうすればいいのか?

せっかく本を読んだのに、「その内容を忘れてしまった!」、「読んでも身についていない!」、そんな悩みは読書につきものです。

 

では、読んだことを忘れないためにはどうすればいいのか?

 

本書のレゾナンスリーディングは”本を読みながらレゾナンスマップを作成している”ので、「インプットと同時にアウトプットを行っている読書法」なのです。

 

よい本を読み終えた後の高揚感。何だかワクワクして、「よし明日からさっそくやろう」と、せっかく思ったのにしばらくすると、

「本を読み終えたけれど、内容を覚えていない」

「何かを学んだはずなのに、何も思い出せない」

こんなふうに思うことはありませんか?

 

読書した内容を忘れずに、定着させるには、やはりアウトプットは大切です。

 

じつは、レゾナンスリーディングはただのインプットをするだけでなく、同時にほんの少しのアウトプットを行っている読書法です。

 

だから、レゾナンスマップをただ見るだけでも、読んだことがよみがえり、あなたのつぎの行動のヒントが見えてきます。

(渡邊康弘著『1冊20分、読まずに「わかる!」すごい読書術』より P126)

 

 

これからの時代、読書の知識をお金に換えていく人が生き残る

現代は”脱工業化の社会”と言われています。

 

工業化社会では”効率化”が求められ、そして情報化社会では”スピード”が求められました。しかし今は時代はあまりのスピードに疲れてしまい、”脱情報化”に向かっているとも言われております。

 

そんな”脱情報化”社会において求められているのは何か?それは、”知識の創造”です。そして、知識を構成する元となるのが”読書”です。

 

ビジネスは「価値を必要なお客様に提供をすることでお金に換える」ことが基本になります。そして知識創造社会においては、あなたの知識をそれを必要とする人に提供できたとき、それは”お金に換える”ことが出来るわけです。

 

そういう意味において、”読書はお金に換えるための知識のもとを作っている”ともいえるかもしれません。

 

工業化(産業化)の社会では、とにかく効率化が求められました。

そして、情報化社会ではスピードがすべてでした。だけどいまは、情報化社会から知識創造社会に向かっています。

何か結果を出すためには、大量に情報を入手して、知識創造することが求められています。読書で得られた情報を、自分という切り口で知識化することによって、いくらでも、成果を出すことができるようになったのです。

(中略)

この知識創造社会のテーマは、一人ひとりにあった解決案を提供すること。そして、ロンドンビジネススクールのリンダ・グラットンが言うように、時代の要請は大量消費から、情熱を傾けることのできる体験やサービスにシフトしています。

(渡邊康弘著『1冊20分、読まずに「わかる!」すごい読書術』より P200~P202)

 

最後に

本書で紹介されている「レゾナンスリーディング」を実際にやってみました。

 

「パラパラとめくりながら、気になるキーワードをメモし、そのキーワードに関する問いかけを行いながらさらにメモするというスタイルなので、本文をすべて読むわけではありません。読書法ではありませんが、感覚的には神田昌典さんの著書『全脳思考』に書かれていた方法に近い感覚を持ちました。

 

もともと、僕の読書スタイルが「最初から最後まで全部読むスタイル」ではなく、「気になった箇所を抽出しながら読む」というスタイルだったので、あまり違和感もなくやれましたが、もしかしたら、通常の「最初から最後までしっかりと読む!」というスタイルの読書を行ってきた方には、最初は違和感を感じるかもしれません。

ただ、この読書法は「レゾナンスマップ」というメモを取りながら読むスタイルなので、「頭の中にしっかりと記憶」されます。仮に忘れたとしても、メモをみれば、記憶の奥底から読んだキーワードやポイントが引き起こされます。

 

ただ、この読書法のすごいところは、本を読むと同時に本に書かれているエッセンスを自分の行動につなげていく「行動計画」が同時にできてしまうところです。

ビジネス書の読書の目的は、「自分にはない知識や方法を吸収し、行動につなげることで成果をあげる」ところにあります。

 

しかし、実際には本を読んではいるものの、具体的な行動の計画を行うところには至らず、「読みっぱなし」で終わってしまうことも多々あります。そんな悩みは多くの方が抱えているのではないでしょうか?本を読んだタイミングで行動につなげる計画を立ててしまえばアクションもしやすくなるし、成果も出やすくなる!まさに「”Read For Action”を形にした読書法」ですよね?

 

「読書を通じてエッセンスを吸収し、成果を上げたい」、「未来の自分に向けて投資したい」と思っている方にはうってつけの読書法です!

 

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まなたけ
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「ビジネス書のエッセンス」管理人。 1966年生まれ・秋田県出身。 システムコンサルティング会社では、顧客管理及び営業支援システムの企業への導入・運用サポートを担当。 趣味は読書とランニング。仕事の傍ら、読んだビジネス書の感想やおすすめポイントを紹介するビジネス書書評ブログを執筆。 また、Webライターとしても活動中!

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