【書評】”型”を身につけることで、”問い”は仕事や人生にスパイスをもたらすツールとなる!『すべての仕事は「問い」からはじまる』(大嶋祥誉著)

ビジネス書, 思考法

今回紹介する本は『すべての仕事は「問い」からはじまる』(大嶋祥誉著)です。

 

2016-12-01-01-08-14

 

著者はマッキンゼーで戦略立案のプロジェクトに携わりました。2002年に独立以降、エクゼクティブ・コーチングや組織変革コンサルティングに従事しております。

本書は”「問い」の重要性”について書かれております。コーチングにおいて、”問い”を行うことは非常に重要な意味を持ちます。なぜなら、コーチから”問い”を行うことで、質問を受けた相手は脳を働かせ、物事について奥深く考えさせる効果があるからです。そいういう意味において、”問い”の重要性を説いた本書は、エクゼクティブ・コーチである著者らしい本とも言えるでしょう。

では、『すべての仕事は「問い」からはじまる』とは、どのような本なのでしょうか?

本書に書かれている内容のうち、ポイントとなりそうな箇所を以下にピックアップしながら書評を書きました。

 

良い問いとは何か?

”問い”には”良い問い”と”悪い問い”の2種類があります。

では、”良い問い”とは、どのような問いを指すのでしょうか?本書では「本質に迫る問いを”良い問い”である」と述べております。

重要なのは、「本質」に迫る問いです。

本質とは、物事の根本的な意味を知るということ。たとえば、問題を発見するときには「何が本当の問題か」であったり、人間関係であれば、相手の「本当の気持ち」であったり、あるいは物事への深い洞察や気づきを指します。

これらは普段は自分たちの思い込みや前提といった「枠」によって見えないことが多いのですが、問いでその「枠」を外すことによって、見えてきます。

本質がつかめれば、問題を的確かつスピーディーに解決しやすくなり、成果も出やすくなります。したがって、はじめにどちらの「問い」を立てるかで、仕事のプロセスも、結果も、大きく変わってきます。

(大嶋祥誉著『すべての仕事は「問い」からはじまる』より P16)

 

たまに「ハッとする」ような問いをされることがあります。そんなとき、あなたはどんなことを考えますか?意外な問いに対して、「脳を動かしている」感覚に陥りませんか?想定内の質問であれば、「脳を動かしている」という感覚には陥りませんよね?私たちが「脳を動かしている」と思うときは、物事の表面的な部分を触ろうとせずに、もっと奥底までえぐり、「重要な点はどこにあるのか?」とモノゴトの本質に迫ろうとしております。そして、それで得た答えは非常に納得感の高いものになるはずです。

 

未知の問題は、プロアクティブな「問い」を使う

そして、仕事のできる人というのは「問いをうまく活用している」ということが言えます。

では、「仕事ができる人は、問いをどのように活用しているのか?」について、本書では以下のように述べております。

仕事ができる人は「問い」を武器にして仕事を回しています。

自らの目で「何が起こっているのか」「起こっていることの本質は何か」を常に問いながら、様々な物事に向き合って、行動しています。

それなら自分もやっていると思う方もいるかもしれませんが、「できる人」というのは、このときの「問い方」が違うのです。

多くの問いは、「なんとなく物事を観察」したり、「目に見えた問題だけを考える」ことから生まれています。たとえば、「ある顧客の売上が下がっているから、そのお客さんのところに行こう」という考えが、これに当たります。このように目に見える物事について対処したり考えるのは「リアクト(反応)型」と呼ばれるものです。マッキンゼーでは、「コインの裏返し」発想とも言われています。

それに対して「そもそもどうしたいのか?」「本来あるべき姿?」というように自ら仮説を立てて「表面化していない問題」を問うのは「プロアクティブ(率先)型」と呼びます。仕事のできるコンサルタントは、常にプロアクティブ型で問いを立てています。

(大嶋祥誉著『すべての仕事は「問い」からはじまる』より P122~P123)

 

上記を読むと、仕事のできる人というのは”プロアクティブ型の問い”というのをうまく活用しておりますね!

 

問いで「新しい思考」と出会う

問いをうまく活用することで、「今までの枠を打ち破る発想」が生まれます。それは、言い換えると、「今までにない新しい発想と出会う」ということを表します。そのために必要なことは、「今までの延長線上で考えない」ということです。本書ではこれを「未来思考」と呼んでいます。

本書を読んでいただいている人は、基本的に自分の未来を今よりももっといいものにしたいという潜在的な想いがあると思います。

そのために大事なことは何でしょうか?

コーチングやコンサルティングをしていて感じるのは、自分の未来に良いものを手に入れられている人に共通するのは「今の延長線上で考えていない」ということです。つまり、「未来志向」の考えを持ち、そこから問いを立てる力を持っているのです。

私たちはどうしても「今がこうだから、この先はこうなる」「自分はこんなキャリアだから、これしかできない」というように、今や過去の延長線上で未来のことを考えたり決めたりしがちです。つまり、常に「過去と今の自分」が未来の自分を決める前提条件になってしまっているわけです。そうなると、新たなことに挑戦しようとしても「自分には無理かな」というネガティブな気持ちがもたげてきます。

不安やネガティブな気持ちは、物事を進めるときのブレーキになります。ブレーキが強いと前に進むのは苦しいので、やっぱりやめておこうという気持ちになります。

そういった「今の自分」から抜け出すためにも「問い」を活用してほしいのです。

(大嶋祥誉著『すべての仕事は「問い」からはじまる』より P200~P201)

 

最後に

”問い”を行なわれることによって、「分からないという”空白”を埋めよう」という働きが脳に起こることを聞いたことがあります。そのため、優れたコンサルタントが”問い”を上手く活用したのでしょう。それだけ、”問い”というのは、物事の本質に迫り、また、今までにない考え方を自分に見せてくれる「パワフルなツール」だと言えます。

 

 

しかし、”問い”の効果を分かっていても、「本質に迫る問い」を行うのは、なかなか難しいです。良い”問い”を行うには、それなりに訓練が必要です。しかし、いざ自分自身に問いかけようとしても、「どのような切り口や視点で問いを行えばいいのか?……」と、そこから考えないといけないと感じてしまうのが多いのではないでしょうか?そうなってしまうと、尚更、ハードルを高くもってしまいます。

 

そんな”問い”の効果や活用法をロジカルに、かつ分かりやすく書かれた本が本書です。

 

本書の中で特に印象に残ったのは、「”問い”にも以下のような型がある」ということです。

①問いは1行

②自分の判断を入れない

③ポシティブにする

④視座を高くする

(大嶋祥誉著『すべての仕事は「問い」からはじまる』より P59)

 

詳細は本書をご覧いただきたいのですが、これらの”型”をもちいて問いを行うことで、なかなか動かなかった脳を動かすことができ、自分自身も「ああ!そういうことか!」と思えるうような答えに思わず遭遇するということが生まれてきます。

 

良い問いというものは、時に「人生にスパイスを与える」ような効果をもたらします。しかし、そのためには”問うことについての訓練”が必要です。”型”がない中で訓練を行うのは、手探りで宝を探すようなものです。やはり、スキルを身に着けるには”型”をもって訓練を行うことが必要です。

 

本書はより良い”問い”を行うための”型”というものを教示してくれます。そして、本書に書いている”型”を身に着けたとき、効果的な”問い”によって、仕事に、そして人生にスパイスをもたらしてくれるようになるかもしれません。

 

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まなたけ
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「ビジネス書のエッセンス」管理人。 1966年生まれ・秋田県出身。システムコンサルティング会社では、顧客管理及び営業支援システムの企業への導入・運用サポートを担当。趣味は読書とランニング。仕事の傍ら、読んだビジネス書の感想やおすすめポイントを紹介するビジネス書書評ブログを執筆。ランニングではサブ4(フルマラソン4時間以内での完走)を目指してトレーニング中。

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