【書評】タイトルに”マンガ”と書いているけど侮るなかれ!”ブルー・オーシャン戦略”のエッセンスが分かる優れモノの本!『マンガでやさしくわかるブルー・オーシャン戦略』(安部徹也著)

ビジネス書, 戦略

 

今回紹介する本は、『マンガでやさしくわかるブルー・オーシャン戦略』(安部徹也著)です。

 

2016-10-10-23-11-07

 

戦略本では名著と言われる『ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する』(W・チャン・キム/レネ・モボルニュ著)を僕も7~8年前に読んだことがあります(当時はランダムハウス講談社から発刊された本を読みました)。しかし、当時の僕には難しすぎて、内容をよく理解できないまま、最終的に「ギブアップ!」した苦い思い出がある本でもあります。

 

今回手に取った『マンガでやさしくわかるブルー・オーシャン戦略』はマンガで書かれているということもあり、『ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する』よりは非常にとっつきやすかったです。

 

では、『マンガでやさしくわかるブルー・オーシャン戦略』にはどのような内容が書かれているのでしょうか?

以下に本書のポイントをまとめながら紹介していきます。

 

ブルー・オーシャン戦略とは何か?

今までの常識では「大規模農業でなければ農業で稼ぐことは難しい」と思われてきました。

農業は取れる農作物の量に応じて収入が決まる側面があります。それゆえに、著者の西田さんの耕地面積が30アールしかない中で、どうやって稼いでいるのか不思議でなりませんでした。

そんな「日本一小さな専業農園」を自負する西田さんは稼ぐためにどのような点を心掛けたのでしょうか?

以下に西田さんが脱サラ農家になると決めたときの心がけを記載しました。

それでは、競争相手のいない市場など本当に存在するのでしょうか?

その答えは、非常にシンプルです。

ライバルが相手にしない人や企業を顧客にすればいいのです。つまり、これまで業界で注目されなかった顧客にフォーカスし、より多くの顧客の共通ニーズに応えていくことで、競争とは無縁のビジネスを展開できるようになるのです。

(中略)

ビジネスの考え方として、ライバルと同じターゲット顧客に自社の製品・サービスを販売しようとするから、激しい競争を勝ち抜かなければならなくなるのです。それならば、逆転の発想でいっそ他社が力を入れていない顧客にフォーカスすれば、ライバルがまったくいない広大な海を悠々と航海できるようになります。

これが”ブルー・オーシャン”であり、この競争のない広大な未開の市場を切り拓いていく戦略がブルー・オーシャン戦略なのです。

(安部徹也著『マンガでやさしくわかるブルー・オーシャン戦略』より P27~P28)

 

その代表例として本書が挙げているのが「QBハウス」です。QBハウスが生まれたきっかけは、創業者である小西國義氏が既存の理容室に対する不満がきっかけでした。

 

QBハウスを展開するQBネットは、創業者である小西國義氏が、行きつけのホテルの理容室で、髭剃りやシャンプー、マッサージなど自分には必要ないサービスを1時間程度かけて受けたうえに、価格も高額なことに不満を抱いていたことがきっかけで生まれました。サービスをヘアカットだけにして、低価格で提供する理容室があってもいいのではないかという発想から生まれたビジネスです。

当時、ほとんどの理容室は、「全国理容生活衛生同業組合連合会」という業界団体に所属していました。そこでは、ヘアカットに加え、髭剃りやシャンプーなど過剰ともいえるサービスが付いて4000円程度というのが相場でした。

こうした従来のフルサービスの理容室を好んで理容している顧客はいるものの、時間や料金をセーブしたい自分のような顧客は相当数にのぼるのではないかと、創業者の小西氏は考えたのです。

(安部徹也著『マンガでやさしくわかるブルー・オーシャン戦略』より P30~P31)

 

このような小西氏の考えは見事に的中!その後の展開はご承知の通りです。

 

 

ブルー・オーシャンを切り拓く6つのパス

では、ブルー・オーシャンを切り拓くためには、どのようにすればよろしいのでしょうか?ブルー・オーシャン戦略を切り拓くために、「6つのパス」というフレームワークが用意されております。

 

ブルー・オーシャンを切り拓く6つのパス

  • パス1:代替産業に学ぶ
  • パス2:業界内の他の戦略グループに学ぶ
  • パス3:違う買い手グループにフォーカスする
  • パス4:補完材・補完サービスを検討する
  • パス5:機能志向と感性思考を切り替える
  • パス6:将来を見通す

(安部徹也著『マンガでやさしくわかるブルー・オーシャン戦略』より P63)

 

それぞれのパスの詳細についてはここでは触れませんが、それぞれのパスについて勉強することで、今まで気づかなかった視点を持つことができます。

 

正しい順番で戦略を考える

ブルー・オーシャン戦略では”6つのパス”で「どこにブルー・オーシャンが存在するか?」を検討するためのフレームワークが用意されております。この後、仮に”6つのパス”で検討したブルー・オーシャンをもとに戦略を組み立てる必要があります。そのための手順として用意されているのが「4つのステップ」です。

本書では、以下のように「戦略を考える4つのステップ」として記載されております。

 

戦略を考える4つのステップ

  • ステップ1:買い手にとっての効用を高める(使用するフレームワーク:「効用マップ」)
  • ステップ2:戦略的な価格を設定する(使用するフレームワーク:「プライス・コリドー・オブ・ザ・マス」)
  • ステップ3:コスト戦略を考える(使用するフレームワーク:「価格イノベーション」)
  • ステップ4:実現への手立てを確認する(使用するフレームワーク:「BOIインデックス」)

(安部徹也著『マンガでやさしくわかるブルー・オーシャン戦略』より P141)

 

「4つのステップ」では”ブルー・オーシャン戦略のキモ”ともいうべきところですが、本書の解説もしっかりと書かれているのが印象的です。

 

組織のハードルを乗り越える

「6つのパス」「4つのステップ」などを経て立てられたブルー・オーシャン戦略ですが、これを実行するために乗り越えないといけない最大のハードルがあります。それは「組織のハードル」です。

様々な場面で施策を立てられたとしても、実行する段階にあって、現場の反対などで「組織をハードル」を乗り越えることができずに頓挫した例は枚挙ありません。

ブルー・オーシャン戦略を実行するに当たっても、「組織のハードル」が最大の壁なのです。

そして、ブルー・オーシャン戦略で成功を収めるためは、以下の「4つのハードル」を乗り越える必要があると述べております。

実行段階で乗り越える4つのハードル

  • 意識のハードル
  • 経営資源のハードル
  • 政治的なハードル
  • 士気のハードル

(安部徹也著『マンガでやさしくわかるブルー・オーシャン戦略』より P218)

 

これらのハードルを見ると、どの世界においても乗り越えないといけない壁というものは同じですね?

とはいえ、戦略の本で、ハードルとしてここまで明確に書かれたものは他にはないと思います。

 

最後に

マンガでしたが、久しぶりに「ブルー・オーシャン戦略」の本を読みました。

冒頭にも書いた通り、7~8年前にランダムハウス講談社から発刊された『ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する』(W・チャン・キム/レネ・モボルニュ著)を読みましたが、当時にはこの本を読み込む力がなく、「よく分かんない!」と挫折した本です。

そんな苦い思い出があるランダムハウス講談社発刊の『ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する』を、本書『マンガでやさしくわかるブルー・オーシャン戦略』を読み終えた後に改めて読んでみました。

すると、『マンガでやさしくわかるブルー・オーシャン戦略』で本戦略のエッセンスを理解していたこともあり、当時に読むのに挫折した『ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する』を読み砕くことができたと実感できたのです!

 

そのように書くほど、僕にとっては今まで敬遠気味だった「ブルー・オーシャン戦略」のエッセンスを理解するのに『マンガでやさしくわかるブルー・オーシャン戦略』は非常に役に立ちました。

 

今まで、「”レッド・オーシャン”とは”競争の激しい市場”であり、”ブルー・オーシャン”とは”競争相手のいない市場”である」という漠然とした理解をしていたものの、「競争相手のいない市場ってどうやって見つけたらいいんだ?」という疑念がありました。それを開拓し、戦略として組み立てるために必要なフレームワークや実行にあたって注意すべき点などが『ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する』にはしっかりと書かれているにも関わらず、それを理解することができなかったのです。

 

しかし、本書『マンガでやさしくわかるブルー・オーシャン戦略』で”レッドオーシャン市場”として描かれている出版業界の舞台が想像しやすいこともあり、”フレームワークが指し示めしている意図”がマンガのストーリーを通じて見えてきました。特に”違う買い手にフォーカスする”など、「ブルー・オーシャンを切り拓く6つのパス」で書かれている内容が非常に分かりやすく思え、そのため、一度は挫折した『ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する』の理解につながったのです。

 

とはいえ、本書『マンガでやさしくわかるブルー・オーシャン戦略』に書かれている「ブルー・オーシャン戦略」の内容は非常に奥が深いです。「ブルー・オーシャン戦略」の内容を理解するために、マンガの後に書かれている解説を2~3回繰り返すなど、かなり読み込みました。これがつまらない内容だったら繰り返し読むのも苦しいものですが、繰り返し読んでも耐えられる内容であり、読み応えがありました。

 

なかなか理解をするのにハードルが高い「ブルー・オーシャン戦略」ではありますが、本書は「ブルー・オーシャン戦略」の理解を助けるのに非常に役立つ本です。

 

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まなたけ
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「ビジネス書のエッセンス」管理人。 1966年生まれ・秋田県出身。システムコンサルティング会社では、顧客管理及び営業支援システムの企業への導入・運用サポートを担当。趣味は読書とランニング。仕事の傍ら、読んだビジネス書の感想やおすすめポイントを紹介するビジネス書書評ブログを執筆。ランニングではサブ4(フルマラソン4時間以内での完走)を目指してトレーニング中。

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