【書評】売上1200万円まで成長したのは、「お客様から信頼を得るために何をすべきか?」を継続して努力し続けた結果である!『農で1200万円!』(西田栄喜著)

起業

2016-10-03-00-18-33

 

今回紹介する本は、以前、気になる本として紹介した『農で1200万円!』(西田栄喜著)です。

 

http://manatake.net/bbooks/kininaru/kininaru-20160827

 

日本の専業農家の平均年収は200万円、初期投資に約1000万円と言われる中、西田さんが営む農園「風来」は、売上1,200万円、初期投資が143万円という驚くべき数字を叩き出しております。

では、なぜこのような驚異的数字を叩き出すことができたのでしょうか?

この点に興味を持ち、以前、「気になる本」として紹介いたしました。

 

その後、本書を手に取ってみると、そこには従来のやり方にとらわれない著者の”工夫”が書かれておりました。

果たして、その方法はどのようなものか?

以下に本書のポイントをまとめながら紹介していきます。

 

小予算から農をベースに起農する5つの戦略

今までの常識では「大規模農業でなければ農業で稼ぐことは難しい」と思われてきました。

農業は取れる農作物の量に応じて収入が決まる側面があります。それゆえに、著者の西田さんの耕地面積が30アールしかない中で、どうやって稼いでいるのか不思議でなりませんでした。

そんな「日本一小さな専業農園」を自負する西田さんは稼ぐためにどのような点を心掛けたのでしょうか?

以下に西田さんが脱サラ農家になると決めたときの心がけを記載しました。

資金も経験も広い土地もない私が、脱サラ農家になると決めたとき、心がけたのが次の3つです。

  • 農業への「固定概念」を捨てる
  • しっかり「稼ぐ」ことを考える
  • 農業は目的でなく「手段」である

まずはこれまでの農業の常識を疑うことから始め、しっかりと稼ぐことを目指しました。「農的暮らし」というと、お金のことは後回しという風潮もありますが、これでは長続きしません。

(中略)

大規模単作栽培に対する少量多品種栽培。それにさらに加工、直売、教室など多様性を加えたのが風来流の「小さい農」、つまり「小規模多様性農業」です。

そして実践していく中で、小規模多様性農業ならではの「5つの戦略」が見えてきました。

(西田栄喜著『農で1200万円!』より P42)

 

では、西田さんが農業を営む中で見えてきた「5つの戦略」とは何か?それは、以下の5つとなります。

戦略1:”借金なし、農薬なし、肥料なし、ロスなし”でストレスなし

戦略2:小さいほどいい「スモールメリット」を120%活かす

戦略3:栽培技術・加工技術・直売技術+「知恵」の教室

戦略4:地方だからこその「プレゼン&コピーライティング」戦略

戦略5:この時代だからこその「つながり・巻き込み力」

(西田栄喜著『農で1200万円!』より P43~P56)

 

それぞれの戦略を見ていると、「無いからできない!」のではなく、「無いなかで、どのように工夫するか?」と考え抜き、試し、効果があったものを残していったのが非常によくうかがえる内容です。

 

「スモールメリット」を享受する3つのこと

「日本一小さな農家」を標榜する西田さんが「スモールメリット」を享受するために力を入れたことが以下の3つです。

 

  • 直売チャネルを持つ
  • ネットワークを大切にする
  • ITをうまく活用する

(西田栄喜著『農で1200万円!』より P79)

 

特に「直販チャネルを持つ」ために力を入れているのが、3番目に記載の「ITをうまく活用する」というところにつながっています。

そして、「ITをうまく活用する」ということは、単に「ホームページを持つ」とか「ブログやSNSを使って宣伝する」ということだけではなく、お客様を引き寄せるための仕組みを考えながら行っているのが本書に書かれています。

 

アクセス数よりいかに買ってもらうか

 

風来は徹底的にネットを活用することで生産者と消費者を直接つながり、利益を高めてきました。

ネットを活用というと、「ネット広告を出す」「アクセス数を増やす」ことを考えがちですが、風来の考え方はちょっと違います。

著者は以下のように述べております。

 

一方、ネット販売を成功させるためには、検索エンジンで上位に表示させるSEO対策が不可欠と言います。

たとえば、「無農薬野菜」で20位以内(1ページ目)に表示させることで、多くのHPに訪れる。そんなテクニックももちろん必要です。

ただ、風来の場合は、売れる量も決まってきますし、アクセス数より実際いかに買ってもらえるかが大切と考えるようになってから、漠然としたSEO対策はせずに、いかに「風来」で検索してもらえるかに力を入れるようにしました。

そのために、毎日ブログやフェイスブックなどで情報を出し続けています(半分以上は楽しみでやっていますが……)。

そうすると、不思議なもので、SEO対策をまったくしていないにもかかわらず、「無農薬野菜」で検索すると、20位以内にコンスタントに入るようになってきました。

そして、「風来」で検索してくれた方は、高確率でお買い物をしてくれることが分かっています。

(西田栄喜著『農で1200万円!』より P119~P120)

 

「いかに買ってもらえるかが大切」……ネットで販売する最終目的はここにあります。しかし、そのために「”風来”で検索してもらうことを心掛ける」ということは、「風来が消費者に信頼してもらえるようになれば、SEO対策をしなくても、自然に風来の評判を聞いて、お客様の方から風来を探しにきてくれる」という考えがあったと思います。

 

 

最後に

冒頭にも書いた通り、「平均年収が200万と言われている中で、”日本一小さな農家”と標榜している”風来”が、どうやって1200万円も売り上げているのだろう?」と不思議でありませんでした。

しかし、本書を読むにつれ、「6次産業化」「ITやSNSを活用した風来を”知ってもらう”ための努力」など、経営努力が継続的に行われていることを知り、そこには著者自身の”試行錯誤の跡”を本書から読み取ることができました。

 

その一つの例が「風来のブログの更新」です。

そんなバーチャルなネットの世界で、信用を得るためにはどうするか。

私がそのために心がけているのが、毎日ブログの日記を更新することです。

本日まで足かけ15年以上、毎日書き続けていますが、このこと自体が信用につながり、また誰にもマネができない「絶対差」にもなってきます。

そして、気をつけているのが、目的に応じた手段の使い分けです。

ホームページ(HP)はフォーマルな場、日々書く日記(ブログ)はセミフォーマル、フェイスブックなどのSNSは普段着の感じで、と使い分けています。

(西田栄喜著『農で1200万円!』より P119)

 

僕もブログをやっていますが、毎日書き続けることがいかに大変か……これを身に染みるほとわかっています。それゆえに15年以上毎日書き続けているということは、ものすごいことです。「誰にもマネができない「絶対差」にもなってきます。」と述べていますが、これだけ更新を続けると、発信される情報には信頼を得ますし、なによりも「毎日の更新が楽しみ!」というファンが必ず付きます。そのようなブログは強いもので、ファンとなった方が「このブログ主を応援しよう!」「このお店を応援しよう!」となるものです。

 

また、著者の努力はこれだけに留まりません!

「日本一小さい専業農家」である風来が、この大きさ(30アール、通常農家の10分の1以下)でやってこれたのは、「栽培」「加工」「直売」を組み合わせたからです。

この3つが風来の核になります。

これにプラスして欠かせないのが、農家ではまだあまりやっていない「知恵」の教室事業です。

(西田栄喜著『農で1200万円!』より P82)

 

これらの事業を複合的に行うことで、売上1200万円を上げる”日本一小さな専業農家”となりました。

一言で「事業を複合的に行う」と書いておりますが、労働力が1.5人程度しかない”日本一小さな専業農家”が複合的に事業を行うのは、並大抵のことではありません。

 

1200万円の売上を上げるまでに成長したのは、やはり著者の継続的な努力の賜物以外にありません。そして、その根底にあるのが「お客様から信頼を得るためには何を行うべきか?」という発想であり、継続的な努力です!

本書は、”起農”ということで書かれておりますが、もちろん、”起業”についても通じるものがあります。著者の持つパワーも本書から感じることができるのですが、本書には「成功するためにはどのような発想が必要か?」という点にも非常に参考になるものがあります。

「農業を営みたい」と思っている方にはもちろんですが、「何か事業を起こしたい」と思っている方にもおすすめの本です。

 

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まなたけ
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「ビジネス書のエッセンス」管理人。 1966年生まれ・秋田県出身。システムコンサルティング会社では、顧客管理及び営業支援システムの企業への導入・運用サポートを担当。趣味は読書とランニング。仕事の傍ら、読んだビジネス書の感想やおすすめポイントを紹介するビジネス書書評ブログを執筆。ランニングではサブ4(フルマラソン4時間以内での完走)を目指してトレーニング中。

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Posted by まなたけ


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