【書評】なぜモヤモヤと感じるのか?自分との対話のキッカケになる本!『モヤモヤとするあの人』(宮崎智之著)

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「スーツ姿にリュックを背負う」

「居酒屋で焼き鳥を食べるときには串から外して食べる」

僕が知る限り、いずれも10年前にはなかった習慣だ。

 

これらの習慣は、僕自身も誰に言われた訳でもなく、皆がやるようになったのを見て行うようになった。

とは言え、(時期を覚えていないが)最初にこれらの行為を見たときには「モヤモヤ」としたものを感じたのを覚えている。

今までの習慣とは全く違う行為だからだ。

 

だが、皆が行うようになり、これらの行為を行う理由もなんとなく分かったので、自然と僕も行うようになった。

人は今までの常識と違う行為を見かけると違和感を感じるものだ。時には「モヤモヤ」とした感覚がしばらく残るときもある。

世の中の移り変わりが激しい現代においては尚更のことだ。

 

そんな皆が感じるであろうと思われるモヤモヤを著者独自の視点で言語化した本が『モヤモヤするあの人』(宮崎智之著)である。

 

「あ~!これわかる!」とうなってしまう日常のモヤモヤ

本書には著者が感じた30個ものモヤモヤが書かれている。

簡単にその内容を紹介すると、以下の通り。

  • スーツにリュックは失礼なのか?
  • ビジネスシーンでのマスク着用は失礼なのか?
  • 大雪でも定時に出社すると人は社畜なのか?
  • 「タバコ休憩」は、非喫煙者にとって不公平なのか?
  • 嫌いな上司からのSNSでの友達申請は承認すべきか?
  • etc…

本書が書いているモヤモヤに、「あ〜!これ分かる!」と感じる読者は少なくないはずだ。

 

著者は自分自身が感じたモヤモヤを「なぜモヤモヤを感じたのか?」を自分なりの見解を示しながら、文章を展開している。

例えば、以下のように。

スーツにリュックは失礼なのか?

電車の中でのマナーはさておき、見た目の面においても、機能面においても”スーツにリュック”がそんなに非常識だとは、個人的には思わない。見た目の問題で違和感を覚えるかもしれないが、見慣れてしまえばそこまで変だとは思わないし、やはりなによりもリュックは楽チン、かつ便利である。

しかし、仮に、自分が”スーツにリュック”をアリだと思っていたとしても、相手がどう思うかを想像して判断するのが社会人としての鉄則だ。そう考えると、現状ではやや慎重にならざるを得ないのが確かにある。

(中略)

新しいスタイルが出てきた時には、必ず古いスタイルの価値観と衝突する。若い世代がビジネスシーンの中心になる頃には、”スーツにリュック”が当たり前に受け入れられている、なんてことも考えられる。しかし、少なくとも現時点で、”スーツにリュック”姿にモヤモヤする人が多いということだけは、心に留めておきたい。

(宮崎智之著『モヤモヤするあの人』P20~P21)

 

ちなみに僕は通勤にはリュックを愛用している。やはり両手が空くのは非常に楽だ。特に通勤時においては手が疲れないというのは非常に大きい。また、IT業界に従事していることもあり、個人的には「スーツにリュック」というのは多くの人に受け入れられているような気がする。

とはいえ、業界によっては、あるいは職種や年代によっては「スーツにリュックというのはあり得ない」という人は確かにいるだろう。それは時代の流れにおいて、過渡期という時期でもあるので仕方があるまい。

その一方で「通勤電車に乗るにあたり、リュックを前に抱える」という新たなモヤモヤが生まれていることを付け加えておく。

ちなみに、僕自身は「リュックを前に抱える」というのは、「前に抱えた方が他の人の邪魔にならないですむ」という理由が明確なので、モヤモヤを抱かずに多くの人が行う新たな習慣を受け入れている。

 

大事なのは「モヤモヤ」の感情を言語化すること

本書に書かれているモヤモヤは、「新しい価値観と古い価値観の衝突の中で起こっている」ものが多い。

もちろん、年代によって、あるいは個人によっては相容れないものもあるだろう。多様な価値観があるのだから、多様な意見があってしかるべきだと思う。

 

大事なことは、モヤモヤとした感情を無理に押し込めるのではなく、それをきちんと言語化することだ。モヤモヤとした感情を無理に押し込めることはストレスにつながる。ストレスを溜めすぎると、それは心身のバランスを崩すことにもつながる。言語化することで、自分が「何にモヤモヤしているのか?」と今の自分の状態に対する理解が深まり、モヤモヤへの対応力を磨くことにもつながる。また、同時に現代社会に対する解像度も上がる。

本書の意図もここにあると思う。

加えて、テクノロジーの進化により、それまで存在すらしなかったマナーが次から次へと出てきていることも指摘しておきたい。ささいなマナーでも、それに反すると「炎上」することもある。

そして、なによりも「そのモヤモヤがささいなことであればあるほと、他人に話したくない」ということこそが、本書を記した一番の大きな理由である。「そんなこと、誰も気にしていないのではないか」「悪口に聞こえてしまうのではないか」。そうした躊躇によって、現代人は多くのストレスを抱えている。

気楽な気持ちですらすらと読んでもらえるよう心がけて書いているので、あまり難しいことは言いたくないが、取るに足らない(しかし、放置しておくとフラストレーションが溜まる)モヤモヤをすくい上げることによって、より現実の解像度が上がり、現代社会を深く洞察できるようになる、ということを、本書を通じて証明していきたい。

(宮崎智之著『モヤモヤするあの人』P5~P6)

 

もちろん、本書は社会全体の広い範囲でのモヤモヤを捉えたものであるが、先にも述べたように、自分たちの日常生活においても体験している事柄は多いはずた。

そんな日々の日常の中で、何によってモヤモヤとした感情を引き起こしているのか?本書に書かれているモヤモヤを通じて自分との対話を試みを行うキッカケとなる本である。

 

今回紹介の本

目次

  • まえがき
  • パートⅠ アリか?ナシか?モヤモヤする新常識
  • パートⅡ あの人は、なぜあなたをモヤモヤさせるのか?
  • あとがき

 

 

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まなたけ
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「ビジネス書のエッセンス」管理人。 1966年生まれ・秋田県出身。システムコンサルティング会社では、顧客管理及び営業支援システムの企業への導入・運用サポートを担当。趣味は読書とランニング。仕事の傍ら、読んだビジネス書の感想やおすすめポイントを紹介するビジネス書書評ブログを執筆。ランニングではサブ4(フルマラソン4時間以内での完走)を目指してトレーニング中。

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Posted by まなたけ


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